ヒトスジシマカ 生息 域
気候変動に伴い,ヒトスジシマカの生息域が徐々に北上している.定着条件を満たすと思われる北海道道南地域で引き続き調査を行ったが, 本種の生息は確認されなかった.ヒトスジシマカの吸血活動開始時期の予測や気候との関連を探る目的で全国40 か所で
東南アジアを原産地とするヒトスジシマカ,Aedes albopictusは,デング熱やチクングニア熱等のウィルス性疾患を媒介する感染症対策上重要な節足動物である。 世界的に生息分布域が拡大しており,現在28カ国で新たに定着が確認され,米国では過去25年間でテキサス州から東部諸州へ広範に生息分布域が拡がっている1)。 ヨーロッパに おいても古タイヤの輸入によりイタリア,ギリシャ,フランス,スイスなどに定着が認められ,2 007年のイタリアでのチクングニア熱の流行を引 2) き起こした。 わが国では1948年までは栃木県が
本来の生息地である東アジアから北アメリカへ輸出された古タイヤの雨水に潜んでいたボウフラが、アメリカ合衆国東部に定着し、10年経たないうちにそこからヨーロッパ、中南米、中東に分布を広げたと推定される。
(Vol.25 p 35-36) ヒトスジシマカは東南アジアを起源とするヤブカである。亜熱帯地域から温帯地域に徐々に分布域を広げるために、温帯地域で冬越する術を身につける必要がある。沖縄以南のヒトスジシマカは冬でも発育を停止することなく、1年中卵から成虫への生活環が回っている。
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