オニ ホソ コ バネ カミキリ
2010年7月。 オニホソコバネカミキリ(以後ギガン)を狙うべく、Nさんと共にとある場所を訪れていた。 ここは前々から「いるんじゃないかな〜? 」と目星を付けていた場所である。 恐らく以前は農地として利用されていたと思しき場所なのだが、クワの巨木が平然と立ち並び、ただならぬ雰囲気を醸し出していた。 中にはいかにもギガンが好みそうな洞のある木も多く、「絶対にいる! 」そう確信せずにはいられなかった。 実はもうこの場所では何度か挑戦して敗北しているのだが、絶対にいるはずと信じて、懲りずにこの年もやって来たわけである。 現地に着いたのは午前6時半過ぎ。 ギカンは早朝にクワの葉裏にとまっているという話も聞く。 早速、各々分かれ、クワの木を一本一本、丁寧に見て回った。
オニホソコバネカミキリ Necydalis(Necydalis)gigantea gigantea Kano,1933 体 長 16.5 ~ 34.0mm 出現時期 6 ~ 8月 独特の姿勢でケヤキの葉裏に静止するオニホソコバネカミキリのメス 安曇野市 2012.7.05(以下同じ) 長野県産のホソコバネカミキリ亜科6種のなかでは最も大型で、3㎝を超える個体もいます。 大型のヒメバチに擬態した特異な姿、前胸側縁には黄金色の微毛が密生するなど進化の妙と風格さえ感じさせるカミキリです。 かつてはクワの古木周辺で採集記録のあった種ですが、養蚕業の衰退した現在では、ケヤキのウロなどで命脈を保っています。
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