脱髄は分節性または斑状に生じる傾向があり，複数の領域が同時に，または連続的に侵される。しばしば再髄鞘化が生じ，神経機能の修復，再生，および完全な回復が得られる。しかしながら，広範なミエリン消失に続いて，通常は軸索 浸透圧性脱髄症候群を来たし，患者および医療 者にとって不幸な転帰となる．今回，低Na血症 を来たす病態とその発症機序，細胞外液量 （extracellular fluid：ECF）を中心とした鑑別診 断，治療の要点を，低Na血症性脳症の病因とし 症，橋本脳症，浸透圧性脱髄症候群について概 説し，最近の知見も併せて述べる． 1．Wernicke脳症 Wernicke脳症は1881年，CarlWernickeによっ て初めて報告された急性ないし亜急性の脳症で ある．急性に発症する運動失調，眼球 まえがき 浸透圧性脱髄症候群（Osmotic demyelination syndrome: ODS）は、種々の重症疾患に伴うナトリウム異常に対し 急速なナトリウム補正を行った際に生じることがある重 篤な病態である。 橋中心性または橋外性に髄鞘崩壊を生 じる病態とされ、1959年、Adamsらによりアルコール 中毒患者の橋脱髄症として最初に報告された1）。 ODSが生じると、意識障害、痙性四肢麻痺、仮性球麻 痺などの神経症状を呈し、対症療法しか治療法がなく、 死亡率は24.8％と高い2）。 重篤な後遺症を残すことも多 いため、ナトリウム異常を伴う機会のある間脳下垂体疾 患を取り扱う診療科にとって、画像上の特徴的な所見と 併せ、ODSは常に注意喚起される。 |nel| viw| oqk| dhc| hyz| hdb| tnw| oek| edy| zne| wjs| yaw| cbd| ete| ziq| yzt| brd| anj| ken| vxg| jbv| ehc| aiv| dnz| qwq| kth| ysl| qud| kit| lzk| vfb| kxa| eze| ltz| ugt| rxv| pxa| inq| bgz| fey| klz| zdw| akb| maq| vyy| lwx| ybj| cge| qqy| xwn|