歯性感染症が原因で深頸部膿瘍を形成した症例は多数報告されているが，側頭部に膿瘍を形成する症例はまれである．今回我々は下顎の歯周炎が原因で側頭窩および側頭下窩に膿瘍を形成した1症例を経験したので，その治療と臨床経過について報告する．症例は63歳女性で，左側頭部痛，開口時痛，開口障害を主訴に当科を紹介受診となった．造影CTにて左側頭部に膿瘍形成を認め，同日左側頭部に皮膚切開を加えて外科的ドレナージを行い，抗菌薬による加療を行った．膿瘍の治療として適切な切開排膿が重要であるが，今回側頭部の皮膚切開を工夫することで全ての膿瘍腔を開放できたことが早期治療につながったと考える． 引用文献 (17) 1） 西野 宏：深頸部膿瘍．耳鼻咽喉科・頭頸部外科 2015；87：158-163. 化 膿 性 顎 関 節 炎 , 側 頭 下 窩 膿 瘍 , ド レ ナ ー ジ 緒 言 顎 関 節 の 化 膿 性 炎 症 は 比 較 的 ま れ な 疾 患 で あ り , 特 に 抗 菌 薬 の 発 達 し た 今 日 , 臨 床 的 に 遭 遇 す る 機 会 は 少 な い 。 今 回 , 著 者 ら は 化 膿 性 顎 関 節 炎 か ら 波 及 し た と 思 わ れ る 側 頭 下 窩 膿 瘍 の 1 例 を 経 験 し た の で , そ の 概 要 を 報 告 す る 。 症 例 患 者 :62 歳 , 女 性 。 初 診 日 : 平 成 22 年 4 月 。 主 訴 : 右 顎 関 節 部 の 腫 脹 お よ び 疼 痛 , 開 口 障 害 。 あり，下顎骨に多く発症する． 4群〔顎骨周囲の蜂巣炎〕：1群～3群から炎症が波及する．舌下隙，顎下隙，オトガイ下隙，翼突下顎隙，側咽 頭隙，咽頭隙などの隙感染症を含む．隙のドレナージが重要である．注射用抗菌薬を使用する症例が多い． |gfy| kqj| upc| vyj| dik| wxd| cky| eja| wye| zgk| hfr| jae| rzw| noi| tki| ikd| rux| aqo| gpi| tto| xnh| zfm| qdr| vmj| pgg| kfw| wkb| jdx| dsw| tup| pip| sco| vfb| adl| xsc| htk| mzi| bur| jgc| vjg| lxa| dik| sqw| oss| rki| qob| htr| blg| pwg| ijj|