三 本 柱 トヨタ
TPSの2本の柱が「自働化」と「ジャスト・イン・タイム」である。 ニンベンのついた自働化であって、自動化ではない。 異常があれば止まるように、設備に人の知恵をつけて、不良品をつくらないようにする。 「品質を工程でつくり込む」、「人を機械の番人にしない」というのが代表的な考え方だ。 一方、ジャスト・イン・タイムは文字通り、「必要なものを、必要なときに、必要な分だけつくる」ことである。 さて、今回の何やら名前の長い発表会。 TPS を自主的に研究して発表する場であることはわかるのだが、事技系職場とはなんだろう? 事務職の「事」と、技術職の「技」を合わせて事技系職場。 実際にクルマをつくる工場などの生産現場と区別してこう呼ぶ。
I.3本柱活動の分析方法(その2) 野中の分析枠組みを、日本国内のマザー工場の暗黙知の海外工場への移転に適用したものとして、山口隆英[2006]がある。 問題意識、分析方法ともに共通する部分が多いので、本節で詳細に検討する。 4 4 野中の知識変換論やSECI プロセスは、「組織的知識創造」について論じたものであり、4 4それ自体は知識移転について論じたものではない。 とはいえ、知識創造を組織的に行うには、個人が生み出す暗黙知が「共同化」により個人間で共有・活用される必要がある。 この「共同化」「個人間の共有」が個人間の知識の移転である。 また、暗黙知が「表出化」により形式知(言語化された明示的な知識)になれば組織内でも組織間でもより広く効率的に知識を共有できる。
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