キャロル イズミル 蜜
キャロルは正式にイズミル王子の正妃として皆に認められた。が、王宮はお祝いというよりは次なる侵略をエジプトに定めた祝いのよう。「イズミル王子は稀有な妃をめとられ、誠にめでたい。ヒッタイトの栄光はますばかり。」エジプトの神の娘
人類史上最初に鉄器を産み出したといわれるヒッタイト王国である。 男はそのヒッタイトの第一王子、イズミルであった。 ヒッタイトはナイルの恵みを受けて富国したエジプトとは違い、荒野にあって、戦いにより他国の人民と産物を次々と懐柔しながら急成長していた国であった。 戦わねば、国の安泰はない。 それゆえ、王子イズミルは幼い頃より、常に冷徹であれと教育されてきた。 行動の一切に私情を入れず、常に国のために父王のためにと腐心してきた。 だがこのナイルの娘に出会い、うまれてはじめて恋というものを知った。 はじめて薄衣をかけぬ心のありのままに、欲しい、手に入れたいと思ったのがこの娘だった。 しかし捕らえられた娘はそんな王子の心を解するはずもない。
イズミルの腕に抱かれ穏やかに眠るキャロルをよそに、眠るに眠れないイズミルは切なげに、しかし満足そうに呟いた。 「なるほど・・・嫌いではない、という訳か…ならば良い。
キャロルは少し困った顔をしてから、青い瞳をまん丸くして左側によせ、口の中に唾液を貯めようと頬を膨らませ頑張っている。 彼女としては唾液を出そうと思うと、どうやって出るのかわからなくなる。
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