恋 と 病 熱 宮沢 賢治
宮沢賢治. 草穂のかなた雲ひくき. ポプラの群にかこまれて. 鐘塔白き秋の館. かしこにひとの四年居て. あるとき清くわらひける. そのこといとゞくるほしき. 底本:「新修宮沢賢治全集 第六巻」筑摩書房. 1980(昭和55)年2月15日初版第1刷発行.
米津玄師 MV『恋と病熱』 この曲はそのまま 宮沢賢治 の詩を曲の題名にしています。 賢治の詩は、1922年3月 20日 に書かれた短い詩です。 実際のところは分かりませんが、賢治には当時恋人が居たらしいです… その恋人と一緒に楽しい時間を過ごしているとき、妹は暗く冷たい病室でひとり、病に臥せっているだろう… でも今日は恋人と過ごしていたい。 という、賢治の妹に対する罪悪感を書いてます。
恋と病熱(宮澤家本)/『春と修羅』. 恋と病熱. けふはわたしの額もくらく. 烏 (からす) さへ正視できない. いもうとはちやうどいまごろ. つめたく陰気な青銅 (ブロンヅ) いろの病室で. 透明薔薇 (ばら) の火に燃されだす. ほんたうに、けれども妹よ.
「恋と病熱」:宮沢賢治 宮沢賢治の詩「恋と病熱」を読む。 「宮沢賢治全集(1)」 (ちくま文庫) に収められている詩。 ☆ 「恋と病熱」には二つの世界が描かれている。 一つは<恋をしている人の世界>で、 もう一つは<病で苦しむ人の世界>だ。 ★ <恋をしている人の世界>。 その恋は残念ながらうまくいっていないようで、 心の中は氷のように冷たい風が吹いているようだ。 <病で苦しむ人の世界>。 彼女は青銅のように青白い病室のベッドに横たわり、 病による燃えるような高熱に襲われている。 彼女は恋をしている人の大事な妹だ。 恋をしている人は彼女のお見舞いに行きたいと思っている。 けれどもあまりに心の中が冷たくなっていて、 お見舞いに持っていくための、 ヤナギの花を取りに行く気にもなれない。 *
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