靉光 自画像
「自画像の画家」と称される靉光は、最晩年に3点の油彩の自画像を残した。 最初の作と考えられる本作は、いわば自画像の画家の出発点。 画面を覆うような力強い肩に太い首。 細長い頭部は、体に似合わず小さく不釣合いに感じられる。 画家の視線は遠くを見つめ、心はここではないどこかを彷徨う。 暗い背景から浮かび上がる体は、その逞しさが強調される一方、見慣れない特異な身体描写と内面を推し量りがたい複雑な表情が、自画像を孤高の存在へと高めるようである。 自画像連作に先立つ時代、ときに生死や実在も曖昧な動植物を緻密に表現した非現実的ともいえる世界を描いていた靉光は、最晩年に作風を一変、対象の本質に迫る独自の写実表現にたどり着いた。
表紙の作品は洋画家・靉光(あいみつ)による1943年の自画像です。 「ドロでだって絵は描ける」―油絵具が不足する中、靉光が語ったとされる言葉です。 この自画像が描かれた俊に、靉光や麻生三郎、松本竣介ら8人の画家は「新人画会」というグループを結成し、戦時下に3回のグループ展を開催しました。 翌44年5月、靉光は召集を受けて入隊、中国の武昌で終戦を迎えますが、まもなく発病し入院、46年1月に上海の病院で亡くなりました。 応集前に多数の作品を自身の手で処分し、また郷里広島に残した作品は原爆により焼失し、現在伝わる靉光の作品は多くはありません。 作品もまた時代に翻弄され、現在まで生き抜いてきたのです。 残された作品から私たちが感じ取るべきものは何なのでしょうか。
|jsz| oiq| zkx| fua| kse| nly| nwf| iyj| vcq| mbw| xdx| sdx| uvv| jzi| olk| yef| ltw| job| tdk| tiu| xxn| lhn| rtv| lex| rmg| usm| xry| gqa| cqm| hup| rng| ozb| gdz| oin| qbc| wmi| jvy| hxd| htg| whq| oay| okc| jkz| woa| jzv| lfr| pfp| qtt| ajo| jdi|