乳癌 遺伝
遺伝性乳がん、卵巣がんと考えられる方の多くは、BRCA1とBRCA2という2種類の遺伝子のどちらかに病的変異 (病気の発症に関係する変化)をもっていることがわかりました。 遺伝子の病的変異が見つかる確率は、本人およびその家族の乳がん、卵巣がんの発症年齢や、発症者数などにより異なり、数%から80%まで幅がありますが、日本人でも欧米と同じような割合で変異が検出されることがわかっています。 欧米での研究から、BCRA遺伝子が陽性の場合の乳がん、卵巣がんの発症リスクは以下のグラフのようになっています。
本日は乳がんのゲノム医療についてお話させていただきます。 昨今『がんゲノム医療』という言葉は医療界のみならず、一般社会においても話題にされるようになりました。 これは先進医療という枠組みで実施されてきた遺伝子パネル検査が昨年7月より保険償還され、いよいよ医療現場でルーティンに行われるようになったことを受けてのものです。 昨年7月の日本乳癌学会総会、これは埼玉医科大学国際医療センター病院長の佐伯俊昭教授が主催された総会ですが、ここにおいてもがんゲノム医療がメインテーマに掲げられ、学会を挙げてこの新しい医療へのディスカッションが行われました。 このようにがんゲノム医療はプレシジョンメディスン、すなわち精密医療や個別化医療の中心的役割を担うものとして期待されています。乳がんの5~10%は遺伝性であるといわれています 一般的に,乳がんは食生活などの環境因子の影響が複雑に関与して発症していると考えられていますので,乳がん患者さんの多く(90~95%)は遺伝以外の環境因子が主に関与していることになります。 家系内に乳がんの患者さんがいる女性は,乳がん発症リスクが高くなりますか ご自身の家系内に乳がん患者さんがいる場合,その患者さんとご自身との血縁関係が近いほど,また乳がん患者さんが家系内に多くいればいるほど,その人の乳がん発症リスクは高くなります。 世界中の多くの研究をまとめた検討では,親,子,姉妹の中に乳がん患者さんがいる女性は,いない女性に比べて2倍以上乳がんになりやすいことがわかりました。
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