嗅覚 野
嗅周野は内側側頭葉記憶システム(細い横線の上)の入り口にあたり、記憶機能(青色)と知覚機能(赤色)を結びつける。 英語名:perirhinal cortex 同義語:嗅周皮質 嗅周野は海馬を頂点とする 内側側頭葉記憶システム の入り口に相当し、 高次感覚連合野 から受け取った知覚情報を 嗅内野 を介して 海馬 に供給する一方で、想起により得られた記憶情報を高次感覚連合野に供給する。 嗅周野は内側側頭葉記憶システムが関与する 宣言的記憶 の中でも特にオブジェクトに関する記憶機能と深く関わる。 目次 1 位置と細胞構築 2 結合 3 機能 4 関連項目 5 参考文献 位置と細胞構築 嗅周野は 側頭葉 にある皮質領域で、 ブロードマンの脳地図 の 35野 と 36野 から構成される。
東京大学大学院農学生命科学研究科の岡本雅子特任准教授らの研究グループは、10種類の多様な匂いを嗅いでいるときの脳波を計測し、機械学習により脳活動から知覚や刺激を読み出すデコーディングと呼ばれる技術を用いることで、脳が匂い呈示後100ミリ秒という早い時間から匂いの情報を表象していることを見出しました。 また、脳活動と知覚の相関を解析することで、匂いの不快さの神経表象が刺激呈示後300ミリ秒から生じるのに対し、快さや質の表象はそれより約200ミリ秒遅れて生じることを明らかにしました。 さらに、初期の情報処理は一次嗅覚野と呼ばれる限局した脳領域で行われている一方、遅い潜時においては、記憶・意味情報・感情などの処理に関わる広範な脳領域がダイナミックに知覚の表象に関与していることが示唆されました。
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