セミ 菌
・セミに寄生する菌 "Massospora" は、セミの体の後方1/3を喰らって剥ぎ落とす ・寄生されたセミから「ドラッグ」や「覚せい剤」に見られる化合物が検出された ・その化合物の効果により、セミの行動がコントロールされていると考えられる アメリカのセミの中には、屈辱的な運命をたどるものがいます。 それは13〜17年もの間を地中で過ごし、やっと太陽を浴びたかと思えば、"Massospora" と呼ばれる「菌」に出会ってしまった不運なものたちです。 その「出会い」から1週間後、セミの硬い腹部は剥がれ落ち、そこには白い「詰め物」のようなものが現れます。 これが "Massospora" であり、セミの内蔵を喰らい、体の後方を「胞子」へと変えてしまいます 。
Massospora(マッソスポラ)属の菌類はセミに感染する病原体の一つだ。 カナダやアメリカの17年ゼミや13年ゼミなどで感染が報告されている。 この菌に感染したセミの腹部は、1週間ほどで表面が剥がれ落ち、白いプラグが現れる。 プラグは成長し、セミの腹部は正常な形を失い、元の3分の1ほどの大きさの"白い塊"になってしまう。 だが、腹部を失ってもセミは死なない。 腹の白い塊の中には病原体の胞子がぎっしり詰まっているのだが、それを撒き散らすように飛び回ってオスメス問わず交尾しようとする。 生殖器は腹部にあるので、とうに脱落して白いプラグに取って代わられているのだが、セミは食事をする時間すら惜しむように相手を見つけては交尾に誘って感染を広げているのだ。
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