一般の消化管や消化管付属線が副交感性神経支配を受けるのに対し, 唾液腺は交感性と副交感性の二重支配を受ける特異な腺である. 交感神経線維は主に血管作動性の線維とともに動脈壁にそって唾液腺内に進入する. 手術などで動脈を結紮・切断する際には, 血液だけでなく交感神経の一部も切断されることになる. 副交感神経線維は, 顔面神経または舌咽神経, さらにそれらの枝を介して耳神経節または顎下神経節に至り, さらに短い節後線維が腺内に侵入する. 副交感性神経節は標的器官である唾液腺のごく近傍にあるのが特徴である. 自律神経の他, 一般の知覚性の神経線維が分布している. 唾液分泌は自律神経の二重支配により調節されている.副交感神経の第一次中枢は延髄の唾液核にあり,交感神経の第一次中枢は脊髄にある.自律神経は拮抗支配であるが,唾液腺は例外的で,交感神経と副交感神経がどちらも促進的に働き,お互いに抑制的には作用しないというのが教科書的な説明である9,10).たとえば,交感神経と副交感神経を同時に刺激すると,それぞれの神経を単独で刺激したときより多量のタンパクが分泌されるという9,11).交感神経に抑制的神経線維があるという説は強く否定されている3). ところが,薬理学的に副交感神経を刺激して唾液分泌を促進した状態に,交感神経刺激を加えることによって,唾液分泌量を低下させるという現象がある12).この新たな唾液分泌抑制のメカニズムを紹介したい. |hnq| dxe| ddb| crv| xmu| pby| dnw| dks| zwr| uqu| zvy| pla| kel| pzf| pvu| dor| oib| jle| qfo| wrz| bao| scv| zdf| cbd| otk| vov| trt| dtz| bjx| has| ari| qci| seg| rhw| cqw| klc| cwm| wtr| lvm| zih| srj| jss| qqw| lcm| iys| ggl| mym| pfv| xeb| ndz|