中原 中 也 山羊 の 歌
詩集「山羊の歌」 | 中原中也・全詩アーカイブ for mobile ホーム 詩集「山羊の歌」 詩集「山羊の歌」について 初期詩篇 春の日の夕暮 月 サーカス 春の夜 朝の歌 臨 終 都会の夏の夜 秋の一日 黄 昏 深夜の思い 冬の雨の夜 帰 郷 凄じき黄昏 逝く夏の歌 悲しき朝 夏の日の歌 夕 照 港市の秋 ためいき 春の思い出 秋の夜空 宿 酔 少年時 少年時 盲目の秋 わが喫煙 妹 よ 寒い夜の自我像 木 蔭 失せし希望 夏 心 象 みちこ みちこ 汚れっちまった悲しみに……
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ホーム 詩集「山羊の歌」 羊の歌 安原喜弘に Ⅰ 祈 り 死の時には私が仰向(あおむ)かんことを! この小さな顎(あご)が、小さい上にも小さくならんことを! それよ、私は私が感じ得なかったことのために、 罰されて、死は来たるものと思うゆえ。 ああ、その時私の仰向かんことを! せめてその時、私も、すべてを感ずる者であらんことを! Ⅱ 思惑(おもわく)よ、汝(なんじ) 古く暗き気体よ、 わが裡(うち)より去れよかし! われはや単純と静けき呟(つぶや)きと、 とまれ、清楚(せいそ)のほかを希(ねが)わず。 交際よ、汝陰鬱(いんうつ)なる汚濁(おじょく)の許容よ、 更(あらた)めてわれを目覚ますことなかれ! われはや孤寂(こじゃく)に耐えんとす、 わが腕は既(すで)に無用の有(もの)に似たり。
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