乳児 呼吸 数
三浦規雅 東京都立小児総合医療センターPICU主任 小児の呼吸器系の生理学的・解剖学的特徴は? 上気道が閉塞しやすく、気道は細く脆弱・過敏です。 呼吸不全に対する許容量が狭いのが特徴です。 〈目次〉 小児の呼吸器系の生理学的特徴 小児の呼吸器系の解剖学的特徴 小児の呼吸器系の生理学的特徴 小児では頭部、特に後頭部が大きいため、仰臥位では気道が屈曲され、閉塞傾向になる 1 ( 図1 )。 図1 仰臥位による気道閉塞 頭部を支持する 筋肉 が弱く、呼吸窮迫患者では、頭部を上下させるような呼吸を認める。 新生児 では、 鼻 呼吸優位のため、鼻腔の閉塞により、呼吸が障害される。 口腔 容積に比べて、舌が大きく、唾液等の分泌物が多い。 これらにより、気道が閉塞されやすい( 図2 )。新生児の呼吸数が多いのは 肺の成長は 年齢による呼吸数は 安静時における呼吸数は、新生児で1分間に35~50回/分、学童期で20回/分、成人で16~18回/分が平均値であるといわれています( 表1 )。 表1 年齢による呼吸数の変化 新生児の呼吸数が多いのは 新生児では呼吸数が35~50回/分と、成人と比較して2.5~3倍も多いのは、新生児の肺がまだ発育を始めたばかりなので、ガス交換が行われている場所である肺胞の数が非常に少なくなっているためです。 肺の成長は 胎児は羊水の中にいるわけですから、 外呼吸 はしておらず肺胞は閉じている状態です。 生後、外呼吸が始まると肺の成長、つまり肺胞数が徐々に増加し、学童期を過ぎると成長は止まって一定化しますが、1回換気量はその後も増加を続けます。
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