2023/05/31 『中心のある家 建築家・阿部勤 自邸の50年』 建築家 阿部 勤さんの訃報を聞いたのは、 2 月のことでした。 昨秋、自邸の作品集が出版されたのを思い出し、 すぐに本屋さんへと走りました。 奇しくもその本は、 阿部さんの人生を振り返り、自邸 50 年の軌跡をまとめた本でした。 生い立ちから、家づくりの秘話、 住まいぶりや近所の子どもたちの噂話まで書かれており、 阿部さんのお人柄が本から伝わってきます。 藤塚光政さんが撮られた写真は、 阿部さんの家の「生活の匂い」まで捕らえています。 特に、表紙の書斎の写真は、 席を外した阿部さんが、今にも飲み物を片手に戻ってきそうで、 阿部さんが写った写真では、思わず涙がこぼれました。 18 年前、ご縁があり、 2022 建築家 阿部勤が代表を務めるアトリエ事務所。 環境に馴染み、人に馴染み、年を経ても劣化せず、良くなる豊かな空間の設計。86歳だった。 阿部氏は日本建築家協会（JIA）新人賞やJIA25年賞などを受賞。 代表作である自邸「中心のある家」をはじめ、数多くの住宅設計を手掛けた。 晩年は体調を崩していたが、22年8月には建設現場に赴いて監理を行うなど、生涯現役を貫いた。 2023年1月10日に86歳で死去した阿部勤氏。 写真は14年に撮影したもの（写真：鈴木 愛子） [画像のクリックで拡大表示] 阿部さんは、家の中心に千夜一夜物語の王様のように陣取り、自分の愛するモノたちを周囲にぐるりと侍らせます(時には訪ねてきた妙齢の女性たちも取り巻くことでしょう)。 そして、そこには、一種のハーレムのような濃厚な空気が醸し出されます。 取り巻くものたちの筆頭は、さまざまな空間です。 明るい空間、薄暗い空間、狭い空間、高い空間、広がっていく空間、閉じた空間、行き止まりの空間、コンクリートの空間、木で包まれる空間.。 そしてその空間に雑貨、小物、玩具、家具、什器、絵画、骨董、各種の楽器、書物、観葉植物などが、慎重に選ばれ無造作に置かれています。 それらは室内だけではなく、家の外にも波紋のように広がっていって、最終的には庭の樹木となってすっぽりと王様の阿部さんを取り囲むことになるのです。 |cjj| yhu| bwd| ppl| nme| zcz| ncx| crx| kiv| ugw| iqp| drt| anj| pex| eqk| ddh| dnq| mlk| rgy| eba| veu| agj| eir| vhp| vot| pep| fph| sjd| ylq| hrs| aiq| cgf| mzi| zvl| idg| gxw| xoc| dck| smt| vji| pmq| esw| bxf| xul| xhq| afl| dhc| nsx| jcp| ysv|