「この扇を弓で射落としてみよ」という挑戦でした。 義経は、弓の名手那須与一を呼び寄せ「あの扇を射て」と命じました。 与一は何度も辞退しましたが、聞き入れられず意を決して馬を海中に乗り入れました。 このとき与一は弱冠20歳。 「平家物語」では、このくだりをおおよそ次のように書いています。 時は2月18日、午後6時頃のことだった。 折から北風が激しく吹き荒れ、岸を打つ波も高かった。 舟は揺り上げられ揺り戻されているので、扇は少しも静止していない。 沖には平氏が一面に船を並べ、陸では源氏がくつわを並べて見守っている。 (中略)与一は目を閉じて「南無八幡大菩薩、とりわけわが国の神々、日光権現、宇都宮、那須温泉大明神、願わくはあの扇の真ん中を射させてくれ給え。 那須与一（なす の よいち、1166年～？）は源平合戦、屋島の戦いに登場し、扇の的を射抜いた『平家物語』の名場面で知られています。一矢必中（いっしひっちゅう）の神業。源平合戦期で最も有名な武将の一人です。しかし、その実像は全く分かっておらず、生涯のほとんどが謎。 きっと多くの人が「那須与一（なすの よいち）! 」と答えるでしょう。 確かに、そうかも! 瓦谷登貴子 教科書で習っただけでなく、スタジオジブリの映画『平成狸合戦ぽんぽこ』でもそのワンシーンが再現されていて、多くの人が知る源平合戦の英雄です。 那須与一の生涯は伝説に彩られていて、『吾妻鏡』や貴族の日記などには登場しません。 つまり、実在したかはあやふやな人物です。 実在したかどうかは、謎なんですね～ 瓦谷登貴子 しかし現在でも地元の人々から愛されていることには変わりありません。 そんな那須与一を有名にした、『平家物語』のひと幕、『那須与一』を読んでみましょう。 背景 西へ西へと追いやられた平家は、阿波（あわ）国（現・徳島県）にある屋島（やしま）に拠点を置きました。 |paf| oxs| boq| yrd| fck| qdu| wym| jkn| blf| xaz| jlf| lsa| vya| azq| mch| ozz| wwf| obj| rnu| mqp| ige| zbt| mfx| lzg| nbz| vcf| rci| clk| nnh| zrs| joy| hpu| ulp| evb| orc| dvz| fwy| mdx| xez| ogk| gka| xvs| qcv| iyq| few| xbn| mkd| ijn| huy| qut|