毛抜 形
毛抜形太刀の始源は平安初期の末葉とされているが、菅公の御佩刀と伝えられるこの太刀は、平安中期頃の作品と考えられる。 柄には毛抜形の透かしがあるのでその名があり、武具として供しうるが、儀仗用太刀としての性格を強めている。 刀身と柄は共に強度の反りを持っており、棟は丸く、鋒はかます形に小鋒で、中央よりに鎬状に高くなって、平造りから鎬造りに移行する過渡的な容姿を示す。 柄の中央に毛抜形を透彫りし、柄先の窓透しも軍扇形に巧みに打抜かれる。 この種の太刀は、平安時代から鎌倉初期にかけて一時流行しその豪華さから神仏への奉納や贈答に用いられた。 現存するものは極めて少ない毛抜形の太刀の一遺品として貴重なものである。 地図で見る 近隣の文化財 太刀 銘 俊次 梅月蒔絵文台 翰苑巻第卅 銅製麒麟並鷽
毛抜形太刀 (けぬきがたたち)は、 平安時代 中期頃に登場した 太刀 の一様式。 日本刀 の原型(起源)と考えられている刀である。 柄(鉄製)と刀身とが接合され一体となるよう作られている(共鉄造り)。 別称に「 衛府の太刀 」があるほか、『白河上皇高野御幸記(高野行幸記)』では、「 俘囚野剣 」とも呼ばれている。 成立過程 毛抜形太刀の直接的な起源は、 古墳時代 、 東北地方 の 蝦夷 が用いてきた 蕨手刀 である。 最初期の蕨手刀は 直刀 だったが、改良により、突き刺すのではなく騎乗にて振り下ろして斬る使い方(疾駆斬撃戦)に適すように、次第に柄および刃が反り、彎刀に近づいた。
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